第3回 鉄道津波対策サミットで鉃學の取組が紹介されます。

世界津波の日の前日である11月4日(水)に、和歌山大学・JR西日本和歌山支社・国立大学協会と共催で防災・日本再生シンポジウム「第3回 鉄道津波対策サミット@tetsugakuオンライン」を開催いたします。本パネルディスカッションでは「鉃學」の取組も紹介されます。オンラインなので通常よりも参加しやすくなっております。是非ともご参加くださいませ。

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和歌山は「稲むらの火」の故事にちなみ「世界津波の日(11月5日)」のゆかりの地です。和歌山大学では、JR西日本和歌山支社と連携し、2013年から実践的津波避難訓練や高校など教育機関との連携、訓練の高度化、および地域振興に資する防災訓練プログラムの開発に共同で取り組んでいます。このような先駆的な取り組みを積み重ねてきた当地和歌山は、「鉄道防災」の拠点 として全国の鉄道事業関係者にも存在感を得ています 。第三回となった鉄道津波対策サミットは、「災害対応と地域振興を結合する防災イノベーション」をサブテーマに掲げ、「鉄道防災」×「地域振興」の事例を共有するとともに和歌山での鉄道防災の取組を発信することで、鉄道乗車時の安全・安心の向上はもとより、地域振興にもつなげていきたいと考えています。

●詳細・申込先は、本学災害科学・レジリエンス共創センターのホームページからお願いします。

https://www.wakayama-u.ac.jp/disaster/news/2020091000015/

【レポート】鉄道津波対策サミット「鉄道乗車中の津波避難と地域との訓練」

和歌山県勤労福祉会館プラザホープで11月4日、防災・日本再生シンポジウム 鉄道津波対策サミット「鉄道乗車中の津波避難と地域との訓練」が開催されました。鉄道関係者や一般の方約130人が集まりました。

鉄道乗車時の津波対策・避難方法の普及は、鉄道を利用する人に広く渡る重要なテーマです。
今回のシンポジウムでは、2011年3月11日に発生した東日本大震災で大きな被害を受けながらも、復活を果たした三陸鉄道の事例や、各鉄道会社での津波対策の取り組み・列車からの避難方法を聞き、地域と連携する訓練の重要性について考えました。

 

 

 

 

 

基調講演では、三陸鉄道株式会社・前代表取締役の望月正彦さんが、東日本大震災当時の様子を具体的にお話くださいました。
「マニュアルには大震災が起きたときにどうすればよいかなんて書いていない。現場で見た情報と想像力をフルに使い臨機応変に対応したのがよかった」という言葉がとても印象的でした。
また、三陸鉄道では震災翌年から震災学習列車を運行しており、修学旅行などで震災について学ぶ子どもたちが増えているようです。

その後、和歌山大学システム工学部准教授の塚田晃司先生から「和歌山大学における鉄道防災・津波対策に関する研究の取り組み」と西日本旅客鉄道株式会社執行役員・和歌山支社長の伊藤義彦さんから「JRきのくに線における津波対策について」の報告が行われました。

 

 

 

 

 

後半のパネルディスカッションでは、鉄道防災教育・地域学習列車「鉄學」の考案者・西川一弘(和歌山大学クロスカル教育機構生涯学習部門准教授)がコーディネーターを務め、鹿野篤志さん(西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社安全推進室長<当時>)、川松和彦さん(四国旅客鉄道株式会社安全推進室副長<当時>)、玉井文之さん(九州旅客鉄道株式会社大分支社安全推進室長)、水上茂秀さん(和歌山県教育庁東牟婁教育支援事務所長)とパネルディスカッションを行いました。
鉄道事業者として、避難訓練を実施する意義や地域との連携の苦労・ドラマなどそれぞれの事例をもとにお話しいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の後方ではパネル展示や体験ブースが用意され、多くの方が興味深そうにのぞいておりました。